オリンピアスウェーデン研修2022―その2

今日のマルメの最低気温は7℃。今回のスウェーデン滞在中、最も暖かい1日になりそうです。

とはいっても、この時期のスウェーデンはずっとどんよりとした曇り空が続いていて、たまに日差しが見られるとラッキーといった感じです。

 

6:30に朝食のためにレストランにいくと、すでにお客さんが集まっていました。スウェーデンでは朝早めに仕事をスタートし、夕方にはちゃんと切り上げて家に帰る、というスタイルの人が多いようです。

スウェーデンの国鉄の高速鉄道SJ2000に乗り、いざ出発。道中、いろいろとハプニングもありましたが、アルベスタ駅に到着し、研修のコーディネートをしてくださる鈴木満先生と合流しました。

 

 

今回の研修のお供は、VolvoのXC60。コンパクトなSUVでありながら、パワーは十分ですので、長距離ドライブでも安心です。私も20年近くスウェーデンで運転をしていますが、レンタカーで初めてのAT車で、カーナビ付き。スウェーデンの車事情も少しずつ変わってきているようです。アルベスタから15分ほどで、研修の地ヴェクショーに到着しました。

 

さて、大きな湖の近くで昼食をとった我々が向かったのは、知的障害の人たちのデイサービス、パッペリーアン(Papperian)。毎年訪問していたのですっかり顔なじみになっている、モニカさんとレーナさんに活動の様子について話を聞きました。ここでは、14名のメンバーが登録していて、毎日8名程度のメンバーが2名のスタッフと一緒に、紙漉きをしたりできた紙に絵をつけたり加工したりして商品を作り、販売しています。10:00-11:30とランチタイムを挟んだ13:00-14:30が作業時間で、9:30と14:30にFika(お茶の時間)があります。スウェーデンの人たちにとって、学校でも職場でも重要なコミュニケーションの時間Fikaが、ここでも大切にされています。町の中心部にあるオシャレなお店で、ヴェクショーの人たちがよく訪れるパッペリーアンのショップですが、最近はスウェーデンの電気代高騰の影響から、新聞紙とロウを使って作った暖炉の着火剤が大人気とのこと。アウトドアブームの日本でも応用できるのでは・・・とアイディアが広がります。

 

続いて向かったのは、同じく知的障害の人たちのデイサービス、テキスティール・グルッペン(Textilgruppen)。こちらは布を使った商品を中心に製作していて、パッペリーアンのお店でも販売しています。22名のメンバーが3名の芸術と福祉の教育を受けたスタッフと一緒に、布にシルクスクリーンで絵付けをしたり、機織りをしたりして、とても個性豊かな作品を作り上げています。前回、2019年に訪問したときに導入されたばかりだった陶芸も人気のプログラムのひとつとなっていて、素晴らしい作品をたくさん目にすることができました。メンバーのみなさんが入れ替わり立ち替わり、作業の様子や作品について、時には英語で説明をしてくれました。メンバーひとり一人の持っている力や関心を最大限に引き出す、スタッフのみなさんのさりげないサポートが印象的でした。

 

そして本日最後の訪問先は、近年スウェーデンで急増している「トリーグヘッツボーエンデ」(Trygghetsboende=セキュリティ・アコモデーション、安心住宅)。11月1日にSBBという会社がオープンしたばかりの施設を訪問し、責任者のインゲラさんに案内してもらうことができました。ここには24時間スタッフが常駐するほか、様々なアクティビティやゲストルームなどが用意されています。介護が必要になれば公的なホームヘルプなどの介護サービスを利用することもできる、日本のサービス付き高齢者向け住宅のような施設です。今回、日本からの見学者が訪問するというニュースを聞きつけて、地元の新聞社スモーランズ・ポステン(Smålandsposten)の同行取材を受けることになりました。私が20年前に留学していて、その後もたびたび研修で訪れているというストーリーにとても興味を示してくれました。記事が掲載されればまたご紹介したいと思います。

 

盛りだくさんのヴェクショー初日も無事に終了。明日はどんな1日になるのでしょうか?

 

Tsukasa