オリンピア スウェーデン研修2014―その4

ちょっとお日様が顔を覗かせてくれるような、4日目の朝。


今日は、高齢者施設トフタ・ゴーデン(Tofta Gården)の見学からスタートです。ここは、3つの高齢者のためのユニットと1つの障害者のためのユニットで構成されている、とても家庭的な雰囲気の施設で、毎年必ず見学のコースに入れています。対応してくれたのは、施設長のマーリンさん。実は彼女、まだ20代なのですが、ベテランのスタッフたちからの信頼も厚く、素晴らしい施設運営をされています。今年も、入居者のグレータさんが私たちをお部屋に案内してくれました。いつものように日本からやってきた私たちを大歓迎してくれて、お部屋のことやここでの生活について、お話しを伺いました。ちなみに、彼女が飼っている犬は人気者で、施設中を我が物顔で歩き回っています。


昼食はここのレストランで。スウェーデンの施設の多くには、レストランやカフェが併設されていて、地域の方も自由に食事やお茶をしにくることができます。今日のメニューは、グラタンか魚のホワイトソース。温かくて、とても優しい味で、毎日でも食べに来たい感じです。レストランに来ていた近所に住む男性は、紺色のブレザーを着こなして、どこか誇らしげな雰囲気。オリンピアのスタッフをとても気に入ってくれたようで、何度も何度もハグをしてくれました。


午後からは、ホフスルンドという高齢者施設の中にある、ルンデンというデイサービスへ。ここも私のお気に入りの場所で、毎年欠かさず訪れる定番コースのひとつとなっています。ヴェクショー市で行われている介護している家族の支援について詳しくお話しを伺うことができました。その中でも興味深いのは、家族介護者のためのカード。緊急連絡先を書いて持ち歩くことによって、もし万が一介護者に何かがあったとしても、介護をされている人をサポートすることができるのです。この安心感はとても大きいと思います。

アットホームでこぢんまりとしたデイサービスには、今日は男性ばかりの利用者の方が来られていました。コーディネーターの鈴木先生が昔からよく知っている会計士の方と再会するなど、うれしいハプニングもあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。


見学の後は、私の留学していたリンネ大学へ。ソーシャルワークを担当しているクリスティーナ先生から、スウェーデンの高齢者福祉の現状や、大学での人材育成についてお話を伺いました。スウェーデンでは、まず高校レベルの介護福祉士の教育を受け、現場で経験を積んだ後に大学でソーシャルワークを学び、施設長や行政の職員、ケアマネジャーとして仕事をするケースが多かったのですが、最近では、高校を出てすぐに大学で学ぶ学生も増えています。その結果、とても若い施設長やケアマネジャーが誕生しているのですが、充実したカリキュラムと教育への信頼のおかげで、即戦力としてみんな活躍しているようです。まだまだ年功序列が残っている日本から見ると、驚かされることもいっぱいです。


大学の中をいろいろと見学したあと、私の友人のエリックが住む隣町のアルベスタまで、車を走らせました。作曲家・ギタリストで、ヴェクショーにある聖シグフリッド国民高等学校で音楽を教えている彼は、実は空手の先生でもあります。稽古が終わった後、彼の家に行くと、なんと彼のお母さんが待っていました。11年ぶりの再会でしたが、私のことをとてもよく覚えていてくれました。なんでも、1年ほど前から同居しているとのこと。親と同居するというのはスウェーデンではとても珍しいことなのですが、子どもの面倒もよく見てくれて、とてもうまくいっているとのことでした。エリックの娘のリネアちゃんに、私の娘からのプレゼントを渡すと、とても照れながらも喜んでくれました。


その後、エリックと一緒にヴェクショーに戻り、メキシコ料理のお店でディナー。とてもフレンドリーな店員さんで、トルティーヤの作り方を教えてくれたりと、なぜかスウェーデンでメキシコ料理を満喫することができました。なんだか、明日もいい1日になりそうです!!

Tsukasa