長崎の観光スポットに近いホテルに泊まったこともあり、初長崎2日目の今日は、空き時間を利用してちょっとだけ観光をすることにしました。
まず、8:00過ぎにホテルのすぐそばの大浦天主堂に行きました。1865年に建立された日本最古の現存するキリスト教建築物であるカトリックの教会で、1933年に国宝に指定されています。正式名は日本二十六聖殉教者堂といい、1597年に長崎で殉教した日本二十六聖人に捧げられています。こぢんまりとした教会は、ヨーロッパのたたずまいの中にもどこか日本的なものを感じさせられる、とても趣のあるものでした。
続いてお隣のグラバー園へ。1863年にスコットランドからやってきた貿易商トーマス・ブレーク・グラバーが居を構えた場所です。旧グラバー住宅は、1863年に建てられた日本最古の木造西洋風建築で、普段見慣れている神戸の異人館よりもさらに古い時代の建物で、ここに幕末の志士たちが出入りしていたのだと思うと、ワクワクした気持ちになりました。
駆け足で観光を終えて、10:00に長崎県美術館に。実は、今回の旅のもう一つの目的が、ここを訪れることでした。先日、ある方の紹介で、美術評論家で富山大学芸術文化学部教授の伊東順二さんとお会いする機会がありました。伊東さんは長崎出身で長崎県美術館の初代館長を勤めておられたというお話しを伺い、今回訪問することにしたのでした。美術館では学芸員の森園さんが館内をご案内してくださいました。外交官須磨彌吉郎の収集した「須磨コレクション」や長崎ゆかりの美術など、興味深い作品を解説付きで見ることができたのは、非常に幸運でした。また、この美術館自体がひとつの芸術作品のような建物になっていて、特に屋上からの眺めはとても素晴らしいものでした。
飛行機の時間まで少し余裕があったので、タクシーの運転手さんにお勧めの場所を聞いてみると、「日本二十六聖人記念碑」が長崎駅から近いとのことだったので、連れて行ってもらいました。日本二十六聖人とは、1597年に豊臣秀吉の命によって京都から長崎まで引き回された後に西坂の丘の上で処刑された26人です。隣にある「日本二十六聖人記念館」には、当時の記録や書簡、踏絵に使われたイエス・キリストや聖母マリアの像、隠れキリシタンたちが信仰の対象としていた像など、たくさんのものが展示されていました。信仰のために死をも恐れず、最期の瞬間まで処刑する人たちの赦しを祈った彼らの気持ちを想うと、胸が締めつけられるようでした。
駆け足での観光を終えて、リムジンバスで長崎空港へ。帰りの飛行機は時間通り14:35に出発し、15:35に神戸空港に到着しました。長崎での滞在時間、ちょうど24時間。強行スケジュールではありましたが、とてもたくさんの収穫があった長崎・佐世保訪問となりました。
Tsukasa