スウェーデン研修―その6

6日目の朝は、ちょっと雨模様。この時期のスウェーデンではなかなかお日様にお目にかかれません。

 

今日は8:30から、3日目に訪問したホフスルンド(Hovslund)にあるデイサービス、ルンデン(Lunden)を訪問しました。施設の食堂の奥にある部屋の扉を開けると、そこは別世界。ふつうの家のような、アットホームな空間が広がっていました。1日8に-9人の利用者を3人のスタッフでケアしています。毎回いろいろなテーマを決めて、そのテーマに関する写真や本を見ながら、昔のことについて話をする、回想法的な取り組みをしていて、「キノコ」のテーマの時はみんなでキノコ狩りに行って、それを調理して食べたということでした。

お話をうかがっていると、9:30ごろから市の移送サービスを利用してみなさんが集まってきました。私服のスタッフがハグをして出迎え、朝ご飯の時間。みんなでこの1週間のできごとや、昨日のテレビ番組について話が盛り上がります。来られている方も、ご夫婦や、自分で歩ける方、車いすの方とさまざま。ちゃんとブレザーにネクタイの男性もいました。とにかく賑やかで笑いが絶えない、とても素敵なデイサービスでした。

 

続いてはリンネ大学のカフェトゥーバン(Café Tufvan)に。ここは市と大学が共同運営をしているカフェで、知的障害を持った方がスタッフとして働いています。キッチンの中まで見せてもらいましたが、とても機能的で働きやすそうな作りになっていました。「いちばん苦労していることは何ですか?」とお聞きすると、「仕事が楽しいからないわ」と笑顔で答えてくれたのが印象的でした。

 

リンネ大学のカフェテリア「クリスティーナ」(Kristina)でコーヒーを飲んでいると、日本人の留学生たちに出会いました。リンネ大学では、毎年鈴木先生と日本人の留学生で「日本食パーティ」を開催しています。私のいた9年前は150人ぐらいの参加者だったと思うのですが、今では大きな会場を借りて250人が来るそうです。このパーティがあと10日ほどに迫っているので、みんなで材料の仕入れ先を検討しているところでした。9年前にタイムスリップしたようで懐かしかったので、「オリンピア瓦せんべい」をプレゼントすると、とっても喜んでくれました。

 

12:00過ぎからは、街中の幼稚園と小学校に併設している、ヴェクショーで最新の厨房を見学させてもらいました。毎日600食を作っているとのことでしたが、その設備と機能性には驚かされました。プロのシェフが来てもびっくりするほどとのこと。アレルギーへの対策も万全で、アレルギー食用の調理スペースや受け渡し口も完備されていました。今日のメニューはスモーランド地方の名物のソーセージ。その他、もちろんマッシュポテトや、色とりどりの野菜なども添えられていて、ボリュームもバランスも満足できるものでした。おやつのシナモンロールまでいただいて、お腹いっぱいです。

 

その後、幼稚園も見学させてもらうことができました。200人規模の大きな幼稚園でしたが、3つのユニットに区切って、それぞれが3クラスに別れているので、こぢんまりとした雰囲気になっていました。スウェーデンの幼稚園、特に年齢が上の方のクラスには、とてもたくさんの物が置いてあります。どんなことにでも興味を持てるような仕掛けになっているのです。また、インテリアや飾り付けのセンスが抜群。こうやって、小さい頃からセンスを磨いているのだなあと、改めて感じさせられました。

 

夕方、ストックホルムに戻られる斉藤先生をお見送りした後、私の空手仲間で音楽家のハンスと一緒に、エリックのいるアルベスタに向かいました。実はアルベスタに、"Café St.Clair"という、リンネ大学の食堂で働いていたエマニュエルさんと奥さんのマスミさんがやっている、エリックとハンス行きつけの日本料理カフェ(?)があるのです。エマニュエルさんは私が留学していたときにお世話になっていたので、意外なところで久しぶりの再会を果たすことができました。久しぶりの日本料理もとってもおいしく、絶対にまた来たいと思いました。

 

明日はいよいよヴェクショー最終日。いい1日にしたいと思います。

 

Tsukasa