オリンピアスウェーデン研修2016―その3

今朝のヴェクショーはどんより曇っていて、いまにも雨が降り出しそうな感じ。典型的なこの時期のスウェーデンのお天気です。

 

今日は朝からヴェクショー市とその近くのウップヴィーディンゲ市(Uppvidinge Kommun)の認知症専門看護師(Demenssjuksköterska)のお二人から、スウェーデンの認知症ケアに関するお話を伺いました。実は、私にとってはこれが今回の訪問の最大の目的。日本ではあまり知られていないスウェーデンの認知症専門看護師の存在を、色々な形で紹介していきたいと思っています。認知症専門看護師は全国の多くのコミューンに配置され、認知症の方の家族のサポートや、高齢者施設やホームヘルプで働くスタッフの研修や指導に携わっています。よく"Spindeln i nätet"(巣の中のクモ)と表現されるように、認知症の人を取り巻く様々な人や資源を繋いでいく役割をしています。また、スウェーデンで最近導入が進んでいる「BPSD登録システム」についても、スライドを使いながら丁寧に説明をしてくれました。「この仕事には情熱が必要なのよ!!」というお二人から、予定時間を30分以上超えてとても貴重なお話を伺うことができました。

 

昼食は近くにあるタイ料理のレストラン、"Thai House Restaurang"へ。フミポン国王の崩御を受けて国旗が半旗になっていましたが、地域では人気店ということで多くの人で賑わっていました。スパイシーで本格的なタイ料理のビュッフェを手軽に楽しむことができる、オススメの店です。お近くに来られた際にはどうぞ。

 

午後は、ヴェクショー市の福祉分野で働く栄養士のセシリアさんとルイスさんからお話を伺いました。まず驚いたのは、この仕事をしているのはお二人だけだということ。現場で調理や栄養指導に関わるのではなく、市全体のマネジメントや職員教育が主な仕事だということです。ヴェクショーでは、2003年から福祉施設の食事のメニューは統一されていますが、ランチもディナーも2種類から選ぶことができますし、ベジタリアン、アレルギー食、栄養食、宗教食への対応など、細かい配慮がなされています。以前に実施した、ミシュランで星をとったヴェクショーの有名レストラン"PM"とタイアップして食の質向上のプロジェクトなど、興味深い取り組みをたくさん紹介してくれました。

お話のあとはフィーカタイム!! コーヒーと美味しいお菓子をいただきながら、こちらも予定を大幅に超えて楽しい時間を過ごすことができました。

 

今日のプログラムを終えた私たちは、ヴェクショーのお隣のアルベスタへ。エマニュエルさんとマスミさんが運営するカフェ"Cafe St. Clair"にお邪魔しました。日本的なおもてなしの心と豊富なメニューで、カフェはいつも大人気。私の友達もすっかり常連になっています。ここのカフェ、毎日とってもステキな写真をinstagramにアップしています(https://www.instagram.com/cafe.st.clair/)。よかったらフォローしてくださいね。 念願がかなって、私たちも載せてもらうことができました!!

 

そして夜は私の親友のエリックのお家へ―。留学時代に空手を通じて仲良くなった彼とは、もう14年のお付き合い。いまは自宅の地下で空手道場を開いているので、稽古の様子を見せてもらうことにしました。道場生は女の子ばかりですが、なかなかハードな稽古をしていたのにはビックリ。以前からよく知っている子もいつの間にか大きくなって、いい技を繰り出していました。

稽古のあとは、子どもたちと一緒になぜか折り紙教室タイムとなりました。実はエリック、子どもが3人いる新しいパートナーができたので、知らない間に5人の子どものパパに。兄弟たちも仲よさそうな様子で、さすがスウェーデンといった感じでしょうか。

たくさんはしゃいで遊び疲れた子どもたち、きっと今日はぐっすり眠れることでしょう。私たちもですが!!

 

Tsukasa