オリンピアスウェーデン研修2013―その5

研修もいよいよ5日目。そろそろ疲れがたまってくるころかな・・・との心配をよそに、参加メンバーは今日も元気いっぱいです!!

 

今日は9:00より、ピールベッケン(Pilbäcken)幼稚園・小学校を訪問しました。ヴェクショー市の北部に位置するここは、幼稚園と小学校が同じ敷地内にあり、市内でも人気の学校となっています。

 

まずは幼稚園の責任者のカタリーナさんからお話を伺いました。こちらの幼稚園には、年齢別の11クラスに分かれて180人の子どもたちが通っていて、36人の先生が担当しています。ここでは、レッジョ・エミリア・アプローチというイタリア発祥の教育法が実践されていて、子どもたちの創造性や可能性を引き出すために、さまざまな取り組みが行われていました。子どもたちと何かを決めるときでも「民主性」が大切にされている様子を見て、スウェーデンの民主主義がこれほどまでに成熟している理由がわかるような気がしました。また、2010年の学習指導要領の改訂によって、これまでの「個人」を大切にしたアプローチが、再び「グループ」をを通して個人を見る、という考え方に変化したというのも興味深く思いました。

 

続いては小学校を校長のアンダシュ先生に案内してもらいました。ヴェクショー市でも人気のこの学校には、現在400人の児童が通っています。そのうち1/3が外国にルーツを持っているのですが、多様性を大切にしているので、問題は全くない、とおっしゃっていたのが印象的でした。学校の中を見学していると、「コンニチハ!!」とたくさんの子どもたちが集まってきてくれました。中には授業そっちのけで教室から出てきてしまう子も・・・。温かい歓迎がうれしかったです。

昼食は学校の給食をいただきました。ビュッフェ形式で、今日のメインはタラとニシンのパン粉焼き。食材の種類も豊富で、うらやましくなるような、とてもおいしい給食でした。

 

午後からは、月曜日に行く予定だった、森の中の幼稚園へ。ここでは冬でもほとんどの時間を外で過ごしています。子どもたちに大人気のヨナタン先生が説明をしながら案内してくれたのですが、子どもたちは私たちのまわりを走り回ったり、岩に登ったり、木に登ったり、こけたり・・・と元気いっぱい。子どもの持つ力が引き出されているなあ、ということを身をもって実感しました。ここの幼稚園ではお昼寝も外で。スウェーデンには、外で寝るためのベッドがあるのです。ふかふかの毛布や寝袋に包まれて寝ている様子を見ていると、とても気持ちよさそうでした。ちなみにこのときの気温は3.5℃。ずっと外で見学していたので、私たちの方が寒くなってしまいました・・・。

 

続いて訪れたのは、エベリッド(Evelid)という高齢者施設。ここは、1Fがヴェクショー市の運営するショートステイ、そして2F・3Fが民間企業に運営委託されたケア付き住宅になっているという、非常に珍しい施設です。市営の方と民営の方の両方の方が一緒にお話をしてくれたので、共通点と違いがはっきりと見えて、とても興味深かったです。そして、お互いがとてもよい関係であるということがよくわかったので、ショートステイからケア付き住宅に入居する場合も、うまく連携が取れているというのも納得でした。建物の中は、隅から隅までとても清潔感があり、家具や装飾など、とてもおしゃれでセンスがよく、そして機能的な空間になっていました。常にそこに住む人や働く人の目線に立って建物が作られている様子は、ぜひ参考にしたいと思いました。

 

そして夕方。留学していたときに一緒で、いまもスウェーデンに住んでいる日本人の友人が、ご主人とホテルに訪ねてきてくれました。10年ぶりの再会でしたが、そんな時間を感じさせない、とてもたのしいひとときでした。

さあ、明日はいよいよヴェクショー最終日。よい1日にしたいと思います!!

 

Tsukasa