スウェーデン研修―その5

スウェーデン研修5日目。いよいよ中盤にさしかかってきました。

 

今日は10:00からパッペリアン(Papperian)という街中にある紙細工のお店へ。実はここは、知的障害をもった人たちの作業所になっていて、1日に10人ぐらいの方が働いています。主な工程は次のようになっています。まず、色のついた紙を細かくちぎって、水と一緒にミキサーにかけます。この原材料となる紙は、市の印刷工場から無料でもらうそうです。そして、その液状になったものをA4やA3の型で漉いて、フエルトにはさんで水分を取ります。それを板に貼り付けて1日乾燥させて、紙は完成。これに絵をつけたり加工したりして、カードや封筒などの商品に仕上げていくのです。

 

ここでは、商品の販売も、障害を持った方がスタッフのサポートを受けながら行います。そのために、レジはタッチパネル式で、商品が絵で表示されるようになっていました。こうして、紙漉→加工→販売というプロセスの全てに参加することによって、自分たちの仕事の意味がわかるのです。何度も訪れているパッペリアンでしたが、とても勉強になりました。

 

お昼時、街の中心部に行くと、マーケットが出ていました。肉、魚、野菜、衣料品、本、諸聖徒日の飾りなどのお店があり、たくさんの人で賑わっていました。スウェーデンではめずらしく、日本のものに近い、緑色のカボチャが売っていたので、料理の腕前はプロ級の鈴木先生が買われていました。なんでも、エーランド(Öland)というスウェーデンの東端にある島で作っているものだそうです。

 

午後からは、私の友人のエリック(Erik Bratt)さんに会いに、アルベスタにある彼の家に行きました。聖シグフリッド国民高等学校の音楽の先生である彼は、実は空手家。私が留学していたときに、学校に空手部を作るお手伝いをしたのがきっかけで、とても親しくなったのでした。その彼も、今や3段となって、自宅に道場を構えて、たくさんの弟子達の指導を行っています。2歳半のお嬢さんにも初めて会うことができて、たのしいひとときとなりました。

 

そして私たちは、車で1時間ほどかけて「ガラスの王国」を目指しました。ヴェクショーの位置するスモーランド地方は、たくさんのガラス工場があることでも有名で、特に夏のシーズンになると、世界中からの観光客でいっぱいになります。

 

そこでまず行ったのはヘラジカ公園(Älg Park)です。ヘラジカは、シカ科の中では最大で、体長3mにもなる、スウェーデンのシンボル的な動物です。よくトナカイと混同されることがあるのですが、全く別物ですのでご注意ください!

わたしはこのヘラジカ公園に行くのは5回目ぐらだったのですが、今回、初めてエサの時間に行くことができました。10数頭のヘラジカが集まってきてエサを食べている様子は、とても壮観でした。名物の園長さんもとてもおもしろい方なので、スウェーデンにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

http://www.moosepark.net/

 

それから、コスタボダやオレフォスといった有名なガラス工場のショップでお土産を買って、また1時間ほどかけてヴェクショーに戻ってきました。

今回の研修で借りたレンタカーは、ボルボのV70。意外にも、スウェーデンでボルボを運転するのは初めてでしたが、とてもスムーズで安定感のある走りです。右側通行・左ハンドル・MTにはちょっと慣れが必要ですが、鈴木先生の「左肩でセンターラインを感じなさい!」という教えを守っていると、楽に運転できますよ!

 

Tsukasa