オリンピアスウェーデン2023―その5

充実した時間はあっという間に過ぎ、ヴェクショーでの研修最終日を迎えました。

ホテルをチェエクアウトして最初に向かったのは、Attendo社の運営する高齢者施設「Attendo Vikaholmsallén」です。スウェーデンの高齢者福祉は基本的に市に相当するKommunが運営をしていますが、近年では民間企業への運営委託も進んできてきます。現在ヴェクショーでは、2割ほどの高齢者施設が民営となっています。

Attendo社は大手の企業で、従業員数は26,000人。オンラインや対面を組み合わせた社内教育も非常に充実しています。施設長のエリザベスさんは現在、日本の主任クラスに相当する中間管理職の育成に力を入れていて、優秀なスタッフを社内で育てたり、社外から採用したりという取り組みを行っているとのことです。コミューンの施設とは異なる取り組みによって、選ばれる施設づくりを行うという点は、民間ならではの視点だと感じました。

 

最終日ということでスケジュールがタイトだったため、昼食はリンネ大学近くのハンバーガーショップ「MAX」へ。スウェーデン独自のハンバーガーチェーン店で、地元の人たちからは、マクドナルドやバーガーキングに負けない人気を誇っています。

 

午後はまず、協同組合方式で運営されている高齢者住宅「Hofs Park」へ。ちょうどこの日はオープンハウスを行っているということで、多くの方が見学に来られていました。「見学ができる部屋」のひとつを訪問すると、そこは実際に入居者が住まれているところでした。11か月前にヴェクショー近郊から引越ししてきたというご夫婦が、とても丁寧に部屋の様子やここでの暮らしについて説明してくれました。大きな庭やバルコニー、プールやサウナ、ジムなども併設されているほか、割と町の中心部に近いということもあって、とても快適に暮らしている様子が伝わってきました。今後、こういった「新たな住まいの形」がスウェーデンでも増えていくことでしょう。

 

そして最後の訪問先は、市営の高齢者施設「Hagalund」。スウェーデンでは少し珍しい、男性の施設長のマティアスさんが案内と説明をしてくれました。62部屋あるこの施設は、COVID-19の影響で一部のユニットを閉鎖していましたが、近いうちに全てオープンする予定とのこと。7つのユニットがあり、そのうちの2つは認知症専門のユニットとなっています。

スウェーデンの介護現場では、日本の介護福祉士に相当するアンダーナース(Undersköterska)がケアワーカーとして勤務していますが、これまでその教育などの内容はコミューンによってまちまちでした。そこで今年7月1日より、スウェーデン社会庁(Socialstyrelsen)が、アンダーナースを名乗るためには証明書が必要ということを定めました。

先ほどのAttendo社と異なり、ヴェクショーの市営の施設では、施設長と補佐役のコーディネーターの下に、介護職員が配置され、主任やユニットリーダーに相当する中間管理職は置かれていません。日本的な感覚ではピラミッド型の組織の方が管理しやすいのではないかと思ってしまいますが、フラットなよい組織ができていれば、スウェーデン型の方が効率よく運営できそうです。今後も研究を続けていきたいと思います。

 

ヴェクショーでの研修のプログラムを全て終え、街中を車で一通り観光した後、駅に向かいました。今回も鈴木先生のアレンジによって、素晴らしい研修が実現しました。お礼をお伝えし、いつものように記念撮影をしたあと、アルベスタ経由でストックホルムに向かいます。

アルベスタからストックホルムへ向かう電車は、スネールトーグ(Snälltåget)という民間の鉄道を選びました。スウェーデン国鉄(SJ)よりも20分ほど時間はかかりますが、料金は時間帯によっては半額以下のときもあります。車内は快適ですので、時間に余裕のあるときはお勧めです。

 

ホテルにチェックインし、遅めの夕食をとって、今日は解散。明日はストックホルム観光です。

Tsukasa